くぼやまさとるの山奥ギャラリー【まじっくらんど】

まじっくらんど日記

植物

サクラの葉

昆虫の好む木というものがある。

落葉広葉樹のコナラ、クヌギ、エノキ、クリなどがそうだろう。

これらには多くの種類の虫が集まる。数える気がしないくらい色々な種類の虫が好んでいる。蛾、蝶、カミキリ、クワガタ、カブトムシなどなど。

でも、木の葉っぱだけに限ってみるとそれはサクラではないだろうか?

初夏を過ぎて穴の空いていない桜の葉を見つけるのは、ここ南伊豆では不可能だろう。(都会ではどうなんだろう?)コナラやエノキも葉に穴が空いているのだが、サクラは穴の数で他の木々を凌駕している。植物というのは、虫に食べられると、虫が嫌う防御物質を出して、虫からの攻撃から身を守るという学説があるけれど、サクラはそのあたりの戦略が弱いのかもしれない。

穴だらけのサクラの葉

何に食べられているのかは知らないが、小さな穴、大きな穴、葉脈だけになってしまったもの、
とにかく必ず食べられた跡がある。けれども、完全に丸坊主にならないところが自然の妙技というところだろう。サクラの葉の付け根にある蜜腺に集まるアリ達がそうなることを防いでいるのだろうか?

それはともかく、この辺りの木々の葉の中でサクラは最も美味に違いない。

逆に虫が好まない木もある。常緑樹は穴のない葉がいくらでも見つかる。中でも、アオキなどは一番虫が好まない気がする。虫がいるのをあまり見たことがない。穴もほとんど空いていない。

ところがシカはアオキを一番好んで食べているようだ。シカに好かれてしまうと、その種類は一網打尽といっていいくらいになくなってしまうので、鹿の方が虫よりインパクトがある。葉っぱに穴どころではないのだ。山に穴があいてしまうくらいなのだ。
 

 

さとる | 2017年9月19日