くぼやまさとるの山奥ギャラリー【まじっくらんど】

まじっくらんど日記

2017年11月

絵を描き始めた頃

ちょうど絵を描き始めた頃(1990年代の始めの頃のこと)、たまたまギャラリーや美術館巡りにはまり始めた。絵の勉強というつもりは全くなく、ただ作品を見て歩くのが楽しくてしょうがなかったのだ。 それは、知らず知らずに大量のインプットをしていたことになる。

ほんの一部だけれど、印象に残った展覧会をあげてみよう。
国立近代美術館でやっていたアボリジニーの展覧会はほぼ美術館を独り占め状態だった。つまりほとんど人が見にきていなかったということ。独りでゆっくり見れるのは良かったけれど、もう少し人が来ても良いのにと残念に思ったものだ。フェルメールや若冲だけでなく、アボリジニのアートだっていいんだよと言いたい。

茨城県の田んぼに巨大アンブレラが千本以上も転々と立ち並ぶクリストの野外インスタレーションはなかなかエキサイティングな体験だった。アートは実物を見てみるものだと実感。写真ではほとんどその面白さがわからないのだ。まさに行ってびっくり見てびっくり。丘の坂を下りると突然目の前に巨大アンブレラが現れたり、上から俯瞰して見たり、車で走りながら次々に傘を通り過ぎたり。傘の存在によってものの見方が変わるのだ。

bunkamuraでのセネガル人の彫刻家ウスマンゲイの個展も強く印象に残っている。つるんとした質感、アフリカ的なものとヨーロッパ的なものが同居していて、自分の家に飾りたくなるような親しみが感じられた。

高校の同期だったからという理由で、ずっと気になっていた大竹伸朗の展覧会も見に行った。「なにこれ?!」というのが一番率直な感想。ロックというかパンクというか、かっこいい。そういえば、高校時代からかっこいいやつだった。

その頃
美術雑誌で特集されていたクレーは、その後好きな画家のひとりとなった。(実は恥ずかしながらその時までクレーのことは知らなかったのだ)。そういえば初期の絵はクレーみたいとよく言われたものだ。一時タイトルに凝ったりしていたのは、クレーの影響が大きい。

思えば贅沢な時間を過ごしていたものだ。今では、何が忙しいのかわからないのに忙しいという理由で、美術館やギャラリーへ行く時間がない。先日、京都で久々に博物館の国宝展を見に行って、やっぱりもっと見る機会を持つべきだなと痛感した。(国宝展、見たかった長谷川等伯や、円山応挙の作品を生で見ることができて最高でした。)

好きなアーティストは?と聞かれることも多いので、ついでにここであげておこう。アンディー・ゴールズワージー、ニックナイト、メビウス、ジミーパイク、酒井抱一など。好きな作家、すごいと思う作家は数多く、もしかしたら間接的に影響を受けているのかもしれない。
さて、そんなこんなでギャラリー巡りをしていたある日、吉祥寺にあった(今はもうない)ギャラリーに立ち寄った時のことだ。そこで、自分の作品に直接影響を与えることになる作家の作品に出会うことになる。
(引っ張りつつ つづく)

さとる | 2017年11月26日

本格的に絵を描き始めた頃

筆者のプロフィールは
アボリジニーの絵に出会ったことで絵を描き始めたと書くことがある。

おそらく、多くの人は岩などに描かれた太古のアボジジニーの絵を思い描くのではないだろうか?

でも、実際は、オーストラリアのブリスベンのナショナルギャラリーにて、最近のアボリジニーアーティストの絵(版画)を見てインスピレーションを得たのだ。アーティストはHeather WalkerかJenuarieのどちらかだったと思う。(ちなみにこの二人は姉妹)。絵を見たときに「絵を描きた〜い」という気持ちが湧き上がってきたのだけれど、それは同時にすごく懐かしい感覚だった。すごく昔にただシンプルに何かを作りたい、描きたいと感じていた感覚。心の奥深くで、眠っていた気持ちが、彼らの絵によって引き出されたようだった。それは、彼らのメッセージだったのかもしれないとも思う。

それから集中して絵を描き始めたのだけれど、その頃自分の創作に影響を与えたアーティストが他にも何人かいる。
(続く)

さとる | 2017年11月22日

ゆるりと展

伊豆の松崎のカフェギャラリー「侘助」でのグループ展、ゆるりと展が始まった。

ゆるい気分で展覧会、ゆるい人たちでグループ展、といった意味だけれど、並べてみると、それぞれ質が高く、見応えのあるものとなりました。

「侘助」は来年2月で閉店となります。もしかしたら、松崎での展示は最後になるかもしれません。

ぜひ、ご高覧ください。

 

さとる | 2017年11月21日

アートステージ567

アートステージ567の個展が無事終了しました。

次に繋がりそうな出会いの多い、非常に実り多い、個展でした。もちろん、反省点も多いのだけれど、

失敗がなければ前進もありません。次回に向けてのやる気がむくむくと頭をもたげてきています。

この感じはなかなか良い。

絵の前から離れたくないとか、ずっと見ていたいというお言葉も何人かから頂戴しました。自分の中で手ごたえを感じていた作品に対してそう言われたので、心の中でやった〜と思いましたね。

京都ならではの出会いもあって、これはそのうち実を結ぶかもしれない。内容はまだ明かせないけれど非常に楽しみです。

自分が次のステップを踏んでいるのを感じています。また、絵を描く日々が始まります。

次は早くも11月18日〜11月30日に伊豆松崎のカフェギャラリー「侘助」にてグループ展です。詳細は近日中にアップします。

蟲神社 部分

さとる | 2017年11月15日